歩行速度が遅いと寿命が短い?

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歩行速度と健康寿命の関係

近年の研究で、75歳以上の高齢者において
歩行速度が遅いことが心血管疾患の発症率を高め
寿命を短くするリスクがあることが明らかになっています!

歩行速度は、単なる移動手段ではなく、
全身の健康状態を反映する重要なバイタルサインとして認識されています!

例えば、Gait speedは「第六のバイタルサイン」とも呼ばれ、
日常生活における機能的な健康指標として
広く用いられています(Studenski et al., 2011)。

歩行速度を決定する2つの要素

歩行速度は主に
以下の2つの要素によって決まります!

1. ケイデンス(歩数/分)

ケイデンスとは、1分間に歩く歩数を指し、
歩行のリズムやテンポを表します!

ケイデンスが高いほど、歩行速度は速くなります!
適切なケイデンスを維持することで、エネルギー効率が向上し、
疲労を軽減することができます!

高齢者においては、
ケイデンスの向上はバランス能力の向上にも寄与し、
転倒リスクの低減に繋がります!

平均は約1.37mです!

2. ストライド長(歩幅)

ストライド長は、
片足の接地位置から次の同じ足の接地位置までの距離を指します!

1歩の平均は約72cmです!

歩幅を広げることで、歩行速度を向上させることができます!
ただし、無理に歩幅を広げると、関節や筋に負担がかかる可能性があるため、
適切なバランスが重要です!
歩幅の改善には、股関節の可動性と筋力の強化が不可欠です!

歩行速度向上のための具体的アプローチ

歩行速度を向上させるためには、
ケイデンスとストライド長の両方を効果的に向上させる必要があります!
以下に具体的な方法を紹介します!

1. ケイデンスの向上

  • テンポ走行: メトロノームやテンポの速い音楽に合わせて歩行することで、
          自然と歩数を増やします!
          目標として1分間に120歩以上を目指すことが推奨されます!
  • 歩行リズムの意識: 足の着地タイミングやリズムを意識することで、
             歩数を増やしケイデンスを高めます!

2. ストライド長の向上

  • スクーター: 股関節の伸展可動性を維持し、
          腸腰筋(Iliopsoas)を効果的に使用するためのエクササイズです!
          スクーターエクササイズは、
          歩行時のMSt(中立期)からTSt(終末期)にかけての
          腸腰筋の張力を最大限に発揮
    させ、振り出し動作を迅速化します
    スクーターエクササイズの方法:
    ① 直立姿勢で両脚を肩幅に開きます
    ② 一方の足を後方に引き、股関節をしっかり伸展させます
      このとき、後ろに引いた脚は床と平行になるまで下げます
    ③ 腸腰筋を意識しながら、素早く脚を前方に戻します
    ④ 各脚で10回ずつ行い、左右交互に繰り返します
  • 股関節の可動性強化: ストレッチやモビリティエクササイズを行い、
              股関節の可動域を広げることで、自然な歩幅を確保します!

3. 早歩きの実施

エクササイズ後には早歩きを取り入れることで、歩行速度を定着させることが重要です!
早歩きは心肺機能の向上や筋持久力の強化に加え、歩行パターンの最適化を促します!
具体的には、エクササイズ後に5分間の早歩きを行い、徐々にその時間を延ばしていきます!

歩行速度と筋骨格系の関係

歩行速度の向上には、筋骨格系の適切な機能が欠かせません!
特に、以下の筋肉群が重要な役割を果たします!

  • 腸腰筋(Iliopsoas): 股関節の屈曲および歩行時の前方推進力に関与します!
    腸腰筋の強化は、歩行時の振り出し動作を迅速かつ効率的に行うために必要です!
  • 大腿四頭筋(Quadriceps): 膝関節の伸展を助け、
    歩行時の地面からの推進力を生み出します!
  • ハムストリングス(Hamstrings): 股関節の伸展および膝関節の屈曲を支え、
    歩行の安定性を保ちます!
  • 中殿筋(Gluteus Medius): 骨盤の安定性を維持し、
    歩行中のバランスを保つ役割を担います!

これらの筋群の協調的な働きにより、スムーズで効率的な歩行が可能になります!

歩行速度向上の生理学的メリット

歩行速度を向上させることには、
以下のような生理学的メリットがあります!

  • 心血管機能の強化: 速い歩行速度は心拍数を上昇させ、
    心臓および肺の持久力を高めます。これにより、心血管疾患のリスクが低減されます!
  • 筋力と筋持久力の向上: 歩行速度の向上は下肢の主要な筋肉群を効果的に鍛えることができ、
    筋力と筋持久力の向上に寄与します!
  • バランス能力の向上: 速い歩行は体幹や下肢の筋肉の協調的な働きを促し、
    バランス能力を向上させます!これにより、転倒のリスクが低減します!
  • 代謝機能の向上: 高い歩行速度はエネルギー消費量を増加させ、代謝機能を向上させます!
    これにより、体重管理や糖代謝の改善が期待できます!
  • 認知機能の維持: 歩行速度の向上は、脳への血流を増加させ、
    認知機能の維持や向上に寄与する可能性があります!

運動プログラムの具体例

歩行速度を効果的に向上させるための運動プログラムを以下に提案します!

ウォームアップ(5分)

  • 軽いストレッチや関節可動域運動を行い、筋を温めます。

スクーターエクササイズ(10分)

  • 前述のスクーターエクササイズを左右各10回ずつ行います。

ケイデンス向上エクササイズ(10分)

  • メトロノームに合わせたテンポ走行やリズミカルな歩行を行います。
  • 目標は1分間に120歩を目指します。

ストライド長向上エクササイズ(10分)

  • 股関節の可動性を高めるためのストレッチやダイナミックエクササイズを実施します。
  • ストライド長を意識して、歩幅を徐々に広げていきます。

早歩き(10分)

  • エクササイズ後に早歩きを行い、歩行速度を定着させます。
  • 徐々に速度を上げ、心拍数を適度に上昇させます。

クールダウン(5分)

  • ゆっくりとした歩行やストレッチ、深呼吸で体をリラックスさせます。

実践上の注意点

歩行速度を向上させるための運動を行う際には、以下の点に注意してください。

  • 無理をしない: 過度な負荷をかけると怪我のリスクが高まります!
    徐々に運動量や強度を増やしていきましょう!
  • 適切な靴の選択: 歩行や運動に適した靴を選ぶことで、足や関節への負担を軽減します!
  • 定期的な評価: 歩行速度や歩行パターンを定期的に評価し、進捗を確認します!
  • 専門家の指導: 理学療法士や専門インストラクターの指導の下で運動を行うことで、
    安全かつ効果的に歩行速度を向上させることができます!

まとめ

歩行速度は高齢者の健康状態や寿命に直結する重要な指標です!
ケイデンスとストライド長の向上を目指すことで、
歩行速度を効果的に速め、心血管疾患のリスクを低減し、健康寿命を延ばすことが可能です!
スクーターエクササイズや早歩きを取り入れ、日常的に歩行能力を高めていきましょう!
歩行速度の向上は、単に速く歩くだけでなく、
全身の健康と生活の質を向上させる重要なステップです!

当スタジオでは、理学療法士資格保有のスタッフが、
あなたの歩行速度を評価し、最適なトレーニングやエクササイズを提供しています!
歩行速度の低下を感じている方、健康寿命を延ばしたい方は、ぜひご相談ください!
皆様のご来店をお待ちしております!

参考文献

  • Studenski, S., Perera, S., Patel, K., Rosano, C., Faulkner, K., Inzitari, M., … & Guralnik, J. M. (2011). Gait speed and survival in older adults. JAMA, 305(1), 50-58.
  • Bohannon, R. W. (1997). Comfortable and maximum walking speed of adults aged 20–79 years: reference values and determinants. Age and Ageing, 26(1), 15-19.
  • Perera, S., Mody, S., & Woodman, R. (2006). Meaningful change and responsiveness in common physical performance measures in older adults. Journal of the American Geriatrics Society, 54(4), 695-700.
  • Pugh, J. S., Heitkemper, M. M., & Ainsworth, B. E. (2003). The relationship between daily walking speed and survival in older adults. Gait & Posture, 17(1), 38-42.
  • Fairclough, J., Hayashi, K., Toumi, H., Lyons, K., Bydder, G., Phillips, N., … & Vicenzino, B. (2006). Is iliotibial band syndrome really a friction syndrome? J Sci Med Sport, 9(1-2), 74-79.
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